比婆山 Mt.Hibayama
道後山から下山するや、183号線を三次方面に戻る。

道後山から比婆山まで10数kmの道のりだろう。私は比婆山の立烏帽子駐車場に向かう県道は、熊野神社を過ぎるとすれ違いの困難な険道に変わるのであまり好きではないのだが、駆け足で比婆山に登ろうとしているのだからやむを得ない。

標高を上げながら険道を走っていくと、木々の葉の赤い色が次第に濃さを増していき「やっぱり来て良かった」と思わせる絶景が待っていた。
 立烏帽子駐車場から立烏帽子山(1299m)
その紅葉のスケールは道後山の比ではなく、まさに全山紅葉の情景が広がっていた。

いつ雨が降り出すかわからないような空になってきたので、比婆山連峰で最も展望の良い池ノ段(1280m)に真っ直ぐ向かうことにした。

13:00頃 立烏帽子駐車場を出発。
立烏帽子山をトラバースする近道を通って池ノ段に向かう。道沿いのブナ林の黄葉がとても美しい。
 立烏帽子山をトラバースする近道
10分足らずで鞍部に着く。ここから見上げる立烏帽子山と池ノ段の紅葉は「素晴らしい」の一言に尽きる。
 池ノ段と立烏帽子山との鞍部から見た立烏帽子山の紅葉
ここには休憩をしながら周囲の紅葉に感嘆している多くの登山者がいた。私はすぐに池ノ段への登りにとりついた。

13:15 池ノ段に到着。
駆け足に近いスピードで来たので、呼吸を整えてから周囲を見渡す。
 立烏帽子山(1299m)
 比婆山御陵(1264m)
 吾妻山(1239m)
 竜王山(1256m)
全山が紅葉に染まった比婆山連峰が一望出来た。

草原の山頂に腰掛けて思う存分この景色を味わう。これまで生きてきて初めて見るような素晴らしい紅葉の風景だったことは間違いない。

もっと先まで行きたいのだが、天気が崩れる前に駐車場に戻れる保証がないのと、肝心のデジカメのバッテリーが残り少ないので、仕方なく撤退することにした。

私が鞍部まで下ると、休憩していた中高年男女の登山者たちが立烏帽子山に登り始めた。私はそのまま駐車場に引き返すつもりだった。

私が駐車場方面に向かう近道へ歩き始めた時、彼らの歓声が聞こえた。一様に立烏帽子山に向かう道から見る紅葉の景色に感激しているようだった。
結局私はこの誘惑に釣られて彼らの後ろから登ってみた。
 立烏帽子山に登る途中から見た池ノ段
彼らの言う通り、確かに綺麗であった。

立烏帽子山山頂からの展望はあまり良いとはいえないので、適当なところで鞍部に引き返そうと思っていたのだが、私より先行している彼らの「うわー」「きれー」という歓声は延々続く。

誘惑に釣られ続けた私は、結局予定外の立烏帽子山に登ってしまった(ええい、こうなったらデジカメのバッテリーがなくなるまで撮影を続けてやれ)。

 左・吾妻山、右・比婆山御陵
 後方左・井西山、右・福田頭
 竜王山
 紅葉に染まった谷筋も美しい
彼らの歓声による誘惑がなければ素通りしていたので、この日ここに居合わせた中高年登山者達に感謝せねばなるまい。
立烏帽子山頂で写真撮影を頼まれたので、とてもお礼にはなるまいが撮ってあげた。

狭い立烏帽子山山頂は登山者で渋滞気味になっていたので、私は彼らより一足先に駐車場に向かって下山した。

道後山に後返りする形になったがひばごん郷温泉すずらんの湯に立ち寄った後、帰途に就いた。
 
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