広島県の渋い滝
9月はともかく、7月と8月は滝見の方がペースダウンしていた感がある。

これは、なかなか梅雨が明けなかったこと、山行に「うつつ」を抜かしていたこと、8月に体調を崩したこと、見たい滝の周辺が大ヤブになっていること、などの阻害要因があったからなのだが、そんな中でも細々と回ってきた滝の数々を一挙に紹介しよう。

ただし、他県の方々にわざわざ遠方から足を運んでいただくには、ややインパクトに欠ける「渋い滝」ばかりです。

堂道(どうどう)の滝 Doudou WaterFalls
安芸高田市向原町坂にあるこの滝は、太田川水系見坂川にかかる落差約10mの滝で、県道37号線から有留方面に向かって県道を進むと、有留集落手前の県道下にある。
堂道の滝
今でこそ短絡的な由来に基づく呼称で呼ばれているが、かつては「魚切滝」と呼ばれていたとされ、芸藩通史にも紹介されている滝である。

また「有留百姓一揆」に際しては、リーダー格の百姓夫婦が滝壺で心中したという「悲劇的伝説」も残るという。
上から眺めた図 上部の流れ

魚切の滝 Uokiri WaterFalls
こちらは今も「魚切」という呼称で呼ばれている滝だ。

広島・島根には「魚切」と称する滝が多く、区別には注意を要するが、この「魚切の滝」は広島市安佐北区白木町古屋の栄堂川にかかる滝である。
全くと言っていいほど知られていない滝で、この滝をネット上で取り上げている奇特な男は私ぐらいのものだろう。
魚切の滝
県道大林井原線沿いに案内看板(右下)があり、そこから井原側に50m程度の距離にある民家の間から河原に降りることが出来る。
滝の遠望 一応案内看板がある
広島市内でも北のはずれの、田園風景の中にある滝である。

宮瀬の滝(仮称)
北広島町の大暮川にかかるこの滝?は、果たして滝として扱われているのかさえアヤシイものだが、付近を通る時いつも気になっていたんで、この際私のHPでは滝として取り扱うことにしたゾ。
落差は3mすら危うい程度の規模。
この、急流と言ってしまえばそれまでの滝?がある場所は、北広島町小原の県道「安佐豊平芸北線(40号線)」が大暮川をまたぐ付近で、県道にかかる「新宮瀬橋」を通過する際に前から気にはなっていたのであった。
「プチ断魚渓」といったところか 県道「新宮瀬橋」からの遠景
ひょっとして名前があるかも知れない(それこそ「宮瀬」というのでは?)が・・・どうでしょう。

牛岩の滝(仮称)
これも滝として扱われていないと思うが、広島市安佐北区の鎌倉寺山の麓にある「滝のような急流」である。
 落差3mほどかな。
広島市安佐北区白木町の県道「広島三次線(37号線)」・小越交差点から東広島方面への県道「東広島白木線(46号線)」を進むと、市境付近に「日本一うまい」とか「毛利元就公も食べそびれた」などと、看板だけはやたら威勢のいいラーメン屋がある。
そのラーメン屋付近から牛岩集落への細い道が分岐しているのでそちらへ進むと、ほどなく道路右手にこの滝?が見えてくる筈である。

鎌倉寺山への登山経験のある方ならば、この滝?はご存知かと思う。
道路から見た姿 下流にも急流が続く
ちなみに前述の「日本一うまいラーメン屋」だが、私はもっと美味しいラーメン屋を他に知っているので決して日本一ではないが、不味い店ではないんで興味のある方は覗かれてみても良いかも。

三田谷の滝 Mitadani WaterFalls
この滝は安芸高田市八千代町の土師ダム右岸から、堂床山へ向かう登山道の途中にある滝である。

国道54号線の刈田交差点から県道「浜田八重可部線(5号線)」に入り、八千代湖(土師ダム)右岸を北広島町方面に向かって走ると、ダム湖を跨ぐ「土師大橋」を右手に見送った辺りで 「一息入れませんか?」という看板のある三田谷公園駐車場がある。
その駐車場から100mあまり先の山側に、屋根に「ヤマメ」と瓦模様で書かれている釣堀があり、付近が堂床山への登山口となっている。

三田谷の滝は、堂床山への登山道を1Km程度進んだ先の登山道沿いにある。
三田谷の滝
登山道と平行して流れる渓流にかかる滝で、落差は10m程度。
滝の上部 滝壺
県道沿いにある堂床山登山口 目印にしやすい、県道沿いにある釣堀の屋根
それにしても山頂まで6Kmとは、標高700mあまりの山にしては「けったいな」距離ですなあ・・・

昇竜の滝 Shoryu WaterFalls
この滝も8月に行ったんだが、同日に行った滝は既にアップ済であるのに、早い話アップするのを今まですっかり忘れていたんで、この際簡単に紹介しておこう。

この滝は庄原市比和町の福田頭(比和毛無山)にあり、大規模林道沿いの「下山口」から5分程度の場所にある。
福田頭下山口
福田頭の「登山口」と「下山口」は別々の場所にあり、4Kmも隔てているので、MTB等を駆使しないと歩いて登山口まで戻るのはキツイモノがある。

ちなみにこの「下山口」は標高約800mの場所にあるので、ここから登った方が「登山口(標高約500m)」から登るより楽チンが出来る。
だが、滝を見るなら「登山口」からでないと「一の滝」をはじめとする良い滝は見ることが出来ない。
昇竜の滝
福田頭でも、一の滝や三の滝に比べると地味な印象は拭えないが、水の多い時に来ればまた違った印象を受けるかも。
 
inserted by FC2 system