大龍頭の上部
これを見るためにはクマ対策を講じつつ、30分程度のトレッキングが必要なんだが、それだけの価値は十分ある。
 下部
さて、遊歩道は一応ここまで整備されている。

この日の最大のテーマである「さらさらの滝」「まぼろしの滝」だが、途中の案内看板にもこの2つの滝は記されている。だが、これらの滝は謎に包まれていて、未だ写真すら見たことがないという滝である。

これまで聞いてきた話では、大龍頭から20〜30分上流に「さらさら〜」があり、そのさらに20〜30分上流に「まぼろし〜」があるという。
だが、大龍頭から先はまともな道が無い上に、タダでさえクマが多い山にさらに分け入らねばならないこと、そして危険な箇所が多数あることなどで、到底私一人で行けるトコロではないのだ。

まず最初の難関として、大龍頭と蛇の穴に挟まれた「鹿の背」という難所を通らねばならない。ここは両サイドが深い谷で絶壁になっていて、人が一人やっと通れる「ヤセ尾根」の超危険箇所である。誤ってバランスを崩そうものなら、どちら側に落ちようが待っているのは「まぼろしの滝」ではなく「三途の川」である。

この鹿の背から、大龍頭の滝上に出るまでの記憶が実はあまり残っていない。無我夢中で前進していたということだろう。
 大龍頭の上に出る
大龍頭の滝上から見た写真は珍しいでしょう。鹿の背を越えないと撮れませんから、高所恐怖症の人には無理でしょうな。
 チョット余裕が出てイワカガミを写す
少し進んだ所で、滝花さんたちは足元を渓流足袋にチェンジ。私は最初から渓流用のフェルト&スパイク底の靴でアタックしている。

小休止の後、再度前進。
途中崖を遠巻きに迂回しながら、鬱蒼と薄暗い渓流沿いを進むと滝が姿を現した。
 所要時間からみて「さらさらの滝」
誰も写真すら見たことがないんで、推測する他はないんだが、前後の滝の位置関係と所要時間から考えても「さらさらの滝」とみて間違いないだろう。(※後日訂正 この滝は無名な滝でした。さらさらの滝ではありません)

再度急斜面を登って沢沿いを遡上していくと、次の滝が見えてきた。
 まぼろしの滝(ではなかった)
落差5mほどの滝だが、謎に包まれた未知の滝だっただけに自分の目で見ると興奮してしまう。こうなると滝の規模なんて関係ない。
 撮影は順番待ち・・・
やはり所要時間や前後の位置関係から考えて、まぼろしの滝とみて間違いない。(※ 後日訂正 無名の滝でした)

でも滝の上に目をやると、数十m上流に滝があるのが見えるので、しばらく夢中で写真を撮った後、再度上流に向けて前進。

まぼろしの滝が崖の間を落ちているんで、ここから上流に行くのがチョット大変で、右側の急な斜面を手前から登って上流に出ることになった。
この登りがこれまで経験したことの無いレベルだった。つかめるモノは笹だろうと木だろうと何でもつかんで登っていくのだ。
 今度は絶壁沿いを下る
ここは結構危険箇所で、Ryohkoさんが念のため持参したロープが登場することになった。

私自身は何とか無難に通過したのだが、木の枝に引っかかった帽子が、谷底に吸い込まれた。あの帽子は誰も回収出来ないに違いない。
そんなこんなで帽子を失った私も無事、まぼろしの滝より50m上流にある滝前に降りた。
 ここで昼食
この滝の右側からも脇から流れる渓流が滝となって落ちている。普段の水量は少ないかもしれないが落差自体はなかなかのものだ。ただし正面からこの滝を見るのはご覧の通りの崖なんで至難。

さて、ここでRyohkoさんが手際よく作ってくれた「皿うどん」をご馳走になる。
こんなクマが多くいる山深い場所で具だくさんの皿うどんが食べれるとは、まさに幸せという他ない。
とっても美味しかったです。有難うございました!

しばしの休息の後、どこからともなく戻ってきた滝花さんが言うには、まだ奥に滝があるとのこと。
再度前進し、右手の斜面から落ちる滝前をモロに通って上流に出る。容赦なく濡れるんで、滝をじっくり見る余裕がなかった。
 次にあったのがこの滝
手持ちのスローシャッターなんで、ピンボケしまくり。
ここで、急斜面を登るため再度ロープが必要だった。ここも結構危険箇所だったな。
この先にあった滝はさらに立派な滝だったが、私のミスで写真は無し・・・
またいつか来れるか・・・な。
 最上流のなめら滝(さらさらの滝)
このなめら滝は意外と大きくて驚いた。(※ 後日判明 これが「さらさらの滝」)
結局、まぼろしの滝の奥に4つ滝があったことになる。
左側の柱状節理が明瞭な岩場を登って滝上に出ると、その上は穏やかな流れの渓流が続いていた。
 緩やかな流れ
 サルメンエビネ
実はこれが最後の写真なのである。
この後、笹尾根の急斜面を登りヘトヘトになった私は写真どころではなくなったのであった。

何はともあれ、地形図が読めるRyohkoさん、TONARIさんのお陰で無事「天杉山登山道」に合流でき、無事下山。
未経験のゾーンに入った感のある、これまでにないハードな滝見・山歩きであった。1年前の私なら100%不可能な挑戦で、同行して下さった方々に感謝、感謝である。


後日判明 さらさらの滝のすぐ上流で川が分岐(合流)しています。この日の我々は、左から来る渓流を進んだ為に「まぼろしの滝」を見落としています。右から来る渓流を遡上すれば「まぼろしの滝」に到達出来ます。
また、さらさらの滝までに道を間違えていて、危険な個所を沢山経由しています。
 
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